2017年5月のRedmine開発状況
Redmine本体の開発について、2017年5月中の主な動きをピックアップして紹介します。
概況
5月中にクローズされたチケットは11件でした。
開発が続いているRedmine 3.4.0は、6月4日時点で既に177件ものチケットがクローズされています。未完了チケットも含めた全チケット数はついに200件を超えました。
Redmine 3.3.0がリリースされたのは昨年6月で、まもなく前回のfeature releaseから1年がたとうとしています。6月25日にRedmine 11周年を迎えますが、それにあわせて3.4.0をリリースしようとしているかもしれません。
バージョン | 全チケット数 | 未完了チケット数 |
---|---|---|
3.4.0 | 201 | 24 |
3.3.4 | 1 | 1 |
3.2.7 | 12 | 8 |
今月紹介するチケットの一覧です。
- Issues
- 注目のチケット
リポジトリにコミットされた機能追加・修正
今後の新バージョンに含まれることが確定した新機能やバグ修正のうち、メリットや影響が比較的大きそうなものを紹介します。
Issues
Defect #5385: プロジェクトに関係のあるステータスのみチケットのフィルタに表示
Redmine 3.4.0では、フィールド「ステータス」に対するチケットのフィルタで、そのプロジェクトと子プロジェクトで使われているステータスのみが表示されるようになります。現在のバージョンではRedmine上のすべてのステータスが選択肢として表示されるため、そのプロジェクトとは無関係のステータスがたくさん表示されて邪魔に感じることがありました。
例えば、あるプロジェクトで3個のステータスを使うトラッカーだけを使用するよう設定したとしても、チケットのフィルタには3つのステータスだけではなくRedmine上に存在する無関係なステータスもすべて選択肢として表示されてしまいます。Redmine 3.4.0では実際に使われる3つのステータスのみが表示されるようになり、操作性が改善されます。
[現行] システム上のすべてのステータスが表示される
[3.4.0] そのプロジェクトに関係あるステータスのみが表示される
注目のチケット
チケットで提案されている段階であり今後のリリースに含まれるかはまったく未定ですが、最近動きがあったチケットの中で筆者が注目しているものを紹介します。
Feature #26071: 画像ファイルをドラッグ&ドロップで添付したときインライン表示用のマークアップも挿入
チケットやWikiに画像をインライン表示させるには、画像ファイルを添付した上で !image.jpg!
(Textileの場合) または [](image.jpg)
のように記述を行います。
Feature #26071 で提案されているパッチは、ドラッグ&ドロップでファイルを添付するとインライン表示のための記述も同時に挿入してくれます。現在はチケット等に画像を含めようとすると、ファイル添付とマークアップ記述の2つの操作が必要ですが、このパッチが取り込まれればドラッグ&ドロップ操作のみで済むようになります。
Patch #25775: 作成者のアイコンに加えて担当者のアイコンもチケットに表示
現行バージョンでは設定「Gravatarのアイコンを使用する」をONにするとチケットの左上に作成者のアイコンが表示されますが、これに加えて担当者のアイコンも表示することが提案されています。
Redmineの使い方によっては作成者よりも担当者のほうが重要な情報であることも珍しくありません。このパッチが採用されれば左上のアイコンでチケットの作成者と担当者を同時に把握できるようになります。
Feature #22481: PDF形式添付ファイルのサムネイル表示
設定「添付ファイルのサムネイル画像を表示」をONにすると、チケットやWikiに添付されているファイルに対するサムネイル画像が表示されます。現行バージョンでは画像形式のファイルのみサムネイル画像が表示されますが、PDF形式のファイルに対しても表示するパッチが提案されています。
このパッチを適用すると、PDFの1ページ目からサムネイル画像が作成されます。PDFの内容を推測できたり、PDFが複数添付されているときにファイルを識別しやすくなったりして便利ではないかと思います。
Feature #25999: リポジトリブラウザでファイルをクリックしたときのデフォルトの動作を「履歴」から「表示」に変更
リポジトリブラウザでファイル名をクリックするとそのファイルの履歴の一覧が表示されます。しかし、実際には履歴を見たいときよりもファイルの内容を見たいときの方が多いのではないでしょうか。ファイルの内容を見るにはさらにもう一回クリックが必要で、個人的には面倒に感じることが多いです。
Feature #25999 で提案されているパッチはファイル名をクリックしたときの動作を内容表示に変更し、この問題を解決します。さらに、「表示」「履歴」「アノテート」のリンクがタブに変更されるなどユーザーインターフェイスも整理されます。
リポジトリブラウザでファイル名をクリックしたとき…
現行バージョンでは「履歴」が表示される
Feature #22481 のパッチを適用するとファイルの内容が表示される
redmine.tokyo 第12回勉強会開催
5月13日(土)、東京で「redmine.tokyo 第12回勉強会」が開催されました。およそ80人が集まり10以上の講演が行われました。講演の一覧、資料、動画は勉強会のページから参照できます。
第12回勉強会 (redmine.tokyo)
バックナンバー(Redmine 3.4.0 開発開始以降分)
- 2017年4月のRedmine開発状況
- 2017年3月のRedmine開発状況
- 2017年2月のRedmine開発状況
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