2016年7月のRedmine開発状況

2016-08-18 13:30  •  分類:

Redmine本体の開発について、2016年7月中の主な動きをピックアップして紹介します。

概況

7月中にクローズされたチケットは23件でした。後ほど詳細を紹介しますが、次期feature releaseのRedmine 3.4.0に向けて、これまで少し困っていた点が改善される操作性向上のパッチが多く取り込まれています。

8月17日 23時の時点のロードマップ画面のチケットの状況は以下の通りです。Redmine 3.3.0のリリースが6月でしたのでそろそろ3.3.1がリリースが期待されるところですが、現時点で5件の未完了チケットが残っています。

バージョン 全チケット数 未完了チケット数
3.4.0 31 21
3.3.1 12 5
3.2.4 9 2
3.1.7 6 0

機能追加・修正

リポジトリにコミットされた機能追加・修正のうちメリットや影響が比較的大きそうなものを紹介します。

Attachments

Feature #13072: 添付ファイルの一括削除

チケットなどに添付されている複数のファイルを削除しようとすると、現在は削除操作をファイルの数だけ繰り返す必要があり、多数のファイルを削除したいときには少し面倒です。Redmine 3.4.0ではこの点が改善され、複数のファイルをまとめて削除できるようになります。

複数のファイルを削除するにはチケットの編集画面から「添付ファイルの編集」をクリックしてください。ファイルの一覧とチェックボックスが表示されるので、そこで削除したいファイルにチェックを入れ「送信」ボタンをクリックするとファイルが選択したファイルが削除されます。

Patch #22941: Wikiと文書に添付されたファイルのサムネイルを表示

チケットに画像ファイルを添付するとファイル名とともにサムネイル画像が表示され、ファイルを開かなくてもどんな画像が添付されているのか分かります(「管理」→「設定」→「添付ファイルのサムネイル画像を表示」がONの場合)。

現在はサムネイルが表示されるのはチケットのみですが、Redmine 3.4.0からはWikiページと文書でも添付された画像ファイルのサムネイルが表示されるようになります。

また、この変更によりWikiページの本文とファイル名の表示の間に横線が表示されるようになったため、どこまでが本文でどこからがファイル名かわかりにくい問題(#6239)も同時に解決されます。

Issues

Feature #10412: 対象バージョンのフィルタをステータスごとにグループ化

チケットのフィルタ「対象バージョン」のドロップダウンでバージョンがステータスごとにグルーピングされて表示されるようになります。現在は終了したバージョンも含めすべてのバージョンが分類無しで表示されますが、Redmine 3.4.0ではバージョンの3つのステータス「進行中」「ロック中」「終了」ごとに分類されて表示されるようになります。これにより目的のバージョンが探しやすくなります。

Redmine 3.3.0の対象バージョンのフィルタ:

Redmine 3.4.0の対象バージョンのフィルタ:

Patch #22575: 注記の編集画面でプライベートフラグの変更に対応

Redmine 3.3.0ではチケットを編集して注記を追加するとき「プライベート注記」のチェックボックスをONにしておくと、その注記は権限を持つメンバーしか閲覧できないプライベート注記とすることができます。しかし、既存の注記をプライベートにしたり、逆にプライベートとしたものを通常の注記とすることはできません。

Redmine 3.4.0からは注記の編集画面に「プライベート注記」のチェックボックスが注記の編集画面に追加され、いつでも注記をプライベートにしたり通常の注記に戻したりできるようになります。

Time tracking

Feature #14790: 作業時間にクエリ機能を追加

Redmine 3.4.0では作業時間の一覧のフィルタの設定内容をクエリとして保存できるようになります。毎回クエリを組み立てなくても、サイドバーに表示されているクエリを1回クリックするだけで保存したフィルタを適用できるようになります。

これまでもチケットのフィルタはクエリとして保存することができましたが、作業時間には相当する機能がありませんでした。

Feature #13558: 作業時間の一覧に対象バージョンのフィルタを追加

作業時間の一覧で対象バージョンのフィルタが利用できるようになります。

Feature #16843: 作業時間の一覧にグループ条件を追加

作業時間の一覧でグループ条件が追加されます。プロジェクト、日付、ユーザー、活動、またはカスタムフィールドのいずれかで一覧をグルーピングして表示できるようになります。

Redmine開発者のJean-Philippe Lang氏、今後の開発方針を語る

Redmine開発者のJean-Philippe Lang氏が7月16日に開催された「Redmine 10周年を祝う会@東京」に寄せたビデオメッセージで、今後のRedmineの開発方針を語りました。

  • Redmineの次の大きな変更はRails 5への移行だが、テストフレームワークが大きく変更されたため、Redmineの2000個以上のテストを修正する必要がある
  • Redmine 4ではUI/UXの改善を行いたい。RedmineのUIは、3.2でのレスポンシブデザイン対応を除けば10年間ほとんど変わっていない

詳しくは以下のページをご覧ください。

Redmine開発者Jean-Philippe Lang氏、ビデオメッセージで日本のコミュニティへの感謝と今後の方針を語る

作成: 2016-08-18 13:30  •  分類: