2017年3月のRedmine開発状況

2017-04-03 23:30  •  分類:  •  前田剛

Redmine本体の開発について、2017年3月中の主な動きをピックアップして紹介します。

概況

3月中にクローズされたチケットは32件でした。過去1年ではやや多めです。着実に開発が進められています。


直近1年の月ごとのクローズされたチケット件数

数ヶ月前からリリースへの期待が高まっているRedmine 3.4.0ですが、4月3日 23時時点で未完了チケットは4件、進捗率は98%となっています。3.4.0向けにこれまでクローズされたチケットは167件に上り、過去3番目の規模の大型のリリースとなることが確実です。

バージョン 全チケット数 未完了チケット数
3.4.0 171 4
3.3.3 6 1
3.2.6 14 0

今月紹介するチケットの一覧です。

機能追加・修正

リポジトリにコミットされた機能追加・修正のうちメリットや影響が比較的大きそうなものを紹介します。

Issues

Feature #25052: チケットの説明欄の無効化

チケットの「進捗%」、「カテゴリ」、「予定工数」などのフィールドはトラッカーの設定で無効化することができますが(参考記事)、これまで説明欄は無効化することができませんでした。Redmine 3.4.0では説明欄も無効化することができるようになります。

これにより、「説明」という広い意味を持つ汎用的な名前のフィールドを無効化して、代わりにより具体的な名前のカスタムフィールドを使うことができるようになりました。1月に追加されたカスタムフィールドのワイド表示オプションと組み合わせて使うことで、トラッカーの目的・用途に特化した入力画面を作りやすくなります。

説明欄を無効化してワイド表示のカスタムフィールドを配置した例:

Issues filter

Feature #2783: 新たなチケットのフィルタ「ファイル」

Redmine 3.4.0では新たなチケットのフィルタ「ファイル」が追加されます。ファイルが添付されているチケットを抽出したり、添付ファイルの名前でチケットを探したりできるようになります。

ファイルが添付されているチケットを抽出:

指定した名前のファイルが添付されているチケットを抽出:

Issues list

Patch #1474: チケット一覧で最新の注記を表示

Redmine 3.4.0ではフィルタのオプションに「注記」が追加され、チケット一覧に最新の注記(コメント)を表示させることができるようになります。

注記にはそのチケットに関係して何をしたのか書かれることが多いので、多数のチケットの最新の注記をまとめて見ることができるようになると、プロジェクト全体の最新の状況を把握するのに便利になります。

最新の注記をチケット一覧に表示する設定:

最新の注記が表示されたチケット一覧:

Feature #6375: チケット一覧に「最終更新者」を表示

Redmine 3.4.0ではチケット一覧に「最終更新者」という項目を表示できるようになります。ここに表示されるのはそのチケットを最後に更新したユーザー(チケットの履歴の末尾に名前が出ているユーザー)です。

例えば、部下や顧客など特定のメンバーが更新したチケットに注目したいときに役立ちます。

1月にコミットされた Feature #17720 (新たなフィルタ「更新者」「最終更新者」が追加)に関連した機能です。

最終更新者をチケット一覧に表示する設定:

最終更新者が表示されたチケット一覧:

My page

Feature #1565: カスタムクエリを表示する新たなマイページパーツ「チケット」

Redmine 3.4.0では、マイページ画面にカスタムクエリを表示することができるようになります。任意のカスタムクエリを選んでマイページ画面に表示させることができます。

これまでチケットを表示するマイページパーツは「報告したチケット」「担当しているチケット」「ウォッチしているチケット」の3つだけでした。カスタムクエリが表示できるようになることで、マイページ画面のカスタマイズの幅が広がり利便性が高まります。

表示するカスタムクエリを選択:

マイページ画面に表示されたカスタムクエリ:

なお、この機能の実装に伴い、各マイページパーツのチケット一覧に表示する項目をカスタマイズする機能も加えられています。通常のチケット一覧画面と同じインターフィエスで、表示する項目を選択することができるようになります。

Feature #8761: マイページパーツ「作業時間」に何日分の情報を表示するか設定する機能を追加

Redmine 3.4.0ではマイページパーツ「作業時間」に、何日分の情報を表示するのか設定する機能が追加されます。これまでは7日間で固定でしたが、ユーザーが自分の好みや必要性にあわせて調整できるようになります。

マイページパーツ右上の歯車アイコンをクリックすると設定画面が表示されます。

Ruby support

Feature #25048: Ruby 2.4対応

Redmineはプログラミング言語Rubyを使って開発されています。Redmine 3.4.0は、2016年12月にリリースされたRubyの最新バージョンである2.4にも対応します。

Rubyはリリースされてからおおむね3年でサポートが終了しています。Redmineをインストールするときは、できるだけ新しいバージョンのRubyを使用しましょう。

Redmine 3.4.0が対応するRubyのバージョンと、各Rubyバージョンのメンテナンス状況:

Rubyバージョン リリース メンテナンス終了
2.4 2016/12
2.3 2015/12
2.2 2014/12 2018/03 (予定)
2.1 2013/12 2017/03
2.0 2013/02 2016/02
1.9.3 2011/10 2015/02

バックナンバー(Redmine 3.4.0 開発開始以降分)

作成: 2017-04-03 23:30  •  分類: