【毎月更新】Redmine リリース前の新機能を先行チェック!リアクション機能(いいねボタン)など(2025年5月コミット分)
Redmine公式サイトでコミット済みの未リリースの新機能を毎月紹介します。より便利になるRedmineの機能を一足先にチェックしましょう。
今月は2025年5月にコミットされたチケットの中から9つ紹介します。
- リアクション機能(いいねボタン)
- チケットの題名を画面上部に固定表示
- Gravatarアイコンのデフォルトにイニシャル追加
- CommonMark Markdownのアラート表示
- ガントチャート、ロードマップ、プロジェクト表示のパフォーマンス最適化
Redmineとは:
Redmineはオープンソースのプロジェクト管理ソフトウェアです。オンプレミスのサーバなど自前の環境に自由にインストールできるほか、 クラウドサービス も利用できます。Redmineについて詳しくは Redmine.JP (Redmine日本語情報サイト)をご覧ください。
リアクション機能(いいねボタン)
チケット、コメント、ニュース、フォーラムに「いいね」のリアクションができるようになります。コメントで返信するほどではないときに既読や共感を簡単に伝えられるので、コミュニケーションを取りやすくなります。
いいねボタンにカーソルを合わせるといいねしたユーザー名が表示される
- 利用できる予定のバージョン:Redmine 6.1.0
- 公式サイトのチケット:Feature #42630: Introduce reaction feature to issues, notes, news, and forums
チケットの題名を画面上部に固定表示
現在のチケット画面では、チケットの題名はページの最上部に表示されます。そのため、画面を下へスクロールすると題名が見えなくなることがあります。特にチケットを編集しようとして「編集」をクリックすると編集領域まで飛ばされて最上部に編集画面が表示されるため、題名が見えなくなります。複数のチケット画面を開いていると、誤って別のチケットを更新してしまうおそれがあります。
次期バージョンでは、題名が画面から見えなくなりそうになると画面上部に固定表示されるようになります。コメントがたくさんあるチケットでもどのチケットを表示しているかが一目でわかるので、誤って別のチケットを更新してしまうミスを防ぐ効果があります。
題名が画面上部に固定表示される
- 利用できる予定のバージョン:Redmine 6.1.0
- 公式サイトのチケット:Feature #42684: Add a sticky header to keep the issue subject visible on scroll
Gravatarアイコンのデフォルトにイニシャル追加
ユーザーがGravatarアイコンを登録していない場合に、デフォルトのアイコンとしてユーザーの姓と名の頭文字が表示できるようになります。視覚的にどのユーザーか分かりやすくなります。
(例)赤田舞さんは「赤舞」、渡辺健斗さんは「渡健」と表示される
管理→設定→表示→「デフォルトのGravatarアイコン」で「Initials」を選択
- 利用できる予定のバージョン:Redmine 6.1.0
- 公式サイトのチケット:Feature #42623: Adds initials to the list of default gratavar options
CommonMark Markdownのアラート表示
CommonMark Markdownでアラートが表示できるようになります。Wikiやチケットの文中で、注意事項や補足事項などを目立たせることができます。
管理→設定→全般→テキスト書式が「CommonMark Markdown (GitHub Flavored)」の場合のみ使用できます。
記述例
> [!NOTE]
> Wiki page edits are preserved as history, allowing you to restore previous versions if needed.
> [!TIP]
> To quickly review the update history of an issue, use the "History" tab for convenient access.
> [!WARNING]
> Deleting an issue is a permanent action. Be certain it is truly necessary before proceeding.
> [!IMPORTANT]
> Changing role permissions can affect user access across all projects, so be mindful of potential impacts.
> [!CAUTION]
> When installing plugins, make sure to verify compatibility. Version differences can cause unexpected behavior.
- 利用できる予定のバージョン:Redmine 6.1.0
- 公式サイトのチケット:Feature #42603: Enable commonmark alert extension
ガントチャート、ロードマップ、プロジェクト表示のパフォーマンス最適化
パフォーマンス最適化に関する機能追加や改善のチケットが5つあります。
Feature #42663: ガントチャートのサーバ側での処理時間短縮
ガントチャートを表示する際のパフォーマンスを向上させるため、バージョンに関連するクエリ(データベースへの問い合わせ)が削減されます。多くのバージョンが存在する場合の表示速度を改善します。
- 利用できる予定のバージョン:Redmine 6.1.0
- 公式サイトのチケット:Feature #42663: Optimize Gantt chart rendering by reducing version-related queries
Feature #42671: プロジェクト表示時の不要なSQLクエリを削減
プロジェクトの概要ページを表示する際に、そのプロジェクトに子プロジェクトが存在しない場合には、サブプロジェクトに関する不要なSQLクエリが実行されないように改善されます。これにより、無駄なデータベースアクセスをなくし、ページの表示を高速化します。
- 利用できる予定のバージョン:Redmine 6.1.0
- 公式サイトのチケット:Feature #42671: Avoid unnecessary SQL query for subprojects in ProjectsController#show when project has no children
Feature #42673: Version::FixedIssuesExtension#issues_progress の最適化
バージョンの進捗状況を計算する内部処理が最適化されます。チケットがクローズされているかどうかの判定が繰り返し呼ばれるのを避けることで、処理の効率を向上させます。
- 利用できる予定のバージョン:Redmine 6.1.0
- 公式サイトのチケット:Feature #42673: Optimize `Version::FixedIssuesExtension#issues_progress` by avoiding repeated `Issue#closed?` calls
Feature #42681: ガントチャートのバージョン表示におけるSQLクエリの最適化
ガントチャートでバージョンの件名を表示する際の、SQLクエリの条件の順序を見直すことで、不要なクエリの実行を避けるようになります。これにより、データベースアクセスの効率化と表示速度が改善されます。
- 利用できる予定のバージョン:Redmine 6.1.0
- 公式サイトのチケット:Feature #42681: Avoid unnecessary SQL queries by reordering conditions in Gantt version subject rendering
Feature #42682: ロードマップのバージョン表示を最適化
ロードマップページでバージョンを表示する際のパフォーマンスが改善されます。チケット担当者のメールアドレスを事前に読み込むことで表示を高速化します。
- 利用できる予定のバージョン:Redmine 6.1.0
- 公式サイトのチケット:Feature #42682: Optimize the rendering of versions on the roadmap by preloading the email addresses of issue assignees
Redmineの新機能を先行して利用できる「RedMica」
Redmine互換のオープンソースソフトウェアRedMica (ファーエンドテクノロジー版Redmine)では、Redmineの次期バージョンの新機能を先行して利用できます。
RedMicaが今すぐ使えるサービス「My Redmine」
「My Redmine」は、RedMicaの開発者ファーエンドテクノロジーが提供するクラウドサービスです。無料でお試しできます。
バックナンバー(過去1年分)
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