RedMica 3.2 新機能ガイド
2025年5月28日にリリースされたRedmine互換のオープンソースソフトウェア「RedMica」の新バージョン3.2の主な新機能10個を紹介します。
RedMicaとは
RedMicaはRedmine互換のオープンソースソフトウェアで、Redmineのソースコードをもとにファーエンドテクノロジー株式会社がリリースしています。ファーエンドテクノロジーが提供するクラウドサービス「My Redmine」でも使われています。
最大の特長は、Redmineより短い間隔で定期的にリリースされることにより、Redmine次期バージョンの新機能を先行して利用できることです。
例えば、Redmine 5.1.0が2023年10月にリリースされてから、次のメジャーバージョンアップであるRedmine 6.0.0が2024年11月にリリースされるまでの約1年1ヶ月の間に、RedMicaは2.4、3.0の2回のリリースが行われました。これにより、RedMicaではRedmine 6.0で利用できるようになった新機能の多くをいち早く利用できました。また、Redmine 6.0.0 がリリースされたあと RedMica は 3.1 と 3.2 の2回のリリースが行われ、Redmine 6.1 で利用可能となる新機能を先行して利用できるようになっています。
RedMica 3.2.0ではRuby 3.1のサポートが終了しました。 Ruby 3.2 以降にアップグレードしてください。
RedMica 3.2 の主な新機能
- リアクション機能(いいね機能)
- チケットの件名の固定表示
- Markdownがアラートボックスに対応
- コードブロックのクリップボードへのコピー
- 高解像度ディスプレイで画像をペーストした際の表示サイズの適正化
- 活動画面の情報量増加
- 子チケット欄・関連するチケット欄の表示内容のカスタマイズ
- 進捗バー形式カスタムフィールド
- 完了したチケットへの作業時間の記録の許可/禁止
- 「デフォルトのGravatarアイコン」に「Initials」追加
リアクション機能(いいねボタン)
チケットとチケットのコメント、ニュース、フォーラムに、ボタンのクリックで反応できるリアクション機能(いわゆる「いいねボタン」)が追加されました。
- リアクション対象: チケット、チケットのコメント、ニュース、フォーラム
- リアクションしたユーザーのうち直近10人分の名前が表示されます
- この機能を使用したくない場合は「管理」→「設定」画面内「全般」タブの「リアクション機能を有効にする」でOFFにできます
チケットの件名の固定表示
チケットの件名を画面上部に固定表示する機能編集中でも現在の件名を確認できるようになりました。誤って別のチケットを更新する事故の防止にも役立ちます。
Markdownがアラートボックスに対応
重要な情報を強調できるアラートボックスの記法に対応しました。Wikiやチケットで注意事項や補足事項を視覚的に目立たせ、読みやすく伝えやすくなります。
コードブロックのクリップボードへのコピー
コードブロック(Markdownの ```
または Textileの <pre>
で囲まれた部分)の内容を1クリックでコピーできるようになりました。コードブロック上にマウスをホバーするとコピーボタンが表示されます。
高解像度ディスプレイで画像をペーストした際の表示サイズの適正化
チケットやWikiに画像をペーストしたとき、高解像度ディスプレイを使用しているとこれまでは画像が通常の2倍の大きさで表示されていました。RedMica 3.2ではディスプレイのピクセル密度を識別して適正な大きさで表示されるようになります。
活動画面の情報量増加
表示されるテキストの上限が120文字から240文字に引き上げられました。さらに連続する複数行の引用文は2行目以降の表示を省略することで、活動画面の各イベントに表示されるテキストの情報量が増え内容をより詳しく把握しやすくなりました。
子チケット欄・関連するチケット欄の表示内容のカスタマイズ
チケットの子チケット欄・関連するチケット欄に表示するフィールドを運用ニーズに応じてカスタマイズできるようになりました。
「管理」→「設定」→「チケットトラッキング」タブ内の「関連するチケットと子チケットの一覧で表示する項目」で設定できます。
進捗バー形式カスタムフィールド
チケットの子チケット欄・関連するチケット欄に表示するフィールドを運用ニーズに応じてカスタマイズできるようになりました。
「管理」→「設定」→「チケットトラッキング」タブ内の「関連するチケットと子チケットの一覧で表示する項目」で設定できます。
完了したチケットへの作業時間の記録の許可/禁止
完了しているチケットに対して作業時間の記録を禁止できるようになりました。
「デフォルトのGravatarアイコン」に「Initials」追加
「Gravatarアイコンを使用する」を有効にしているとき、Gravatarアイコン未登録ユーザーに表示するデフォルトアイコンは「デフォルトのGravatarアイコン」で選択できます。この選択肢に「Initials」が追加されました。氏名に基づいたアイコンが表示可能になり、従来より個人を識別しやすくなります。
- 「管理」→「設定」画面内「表示」タブの「デフォルトのGravatarアイコン」から設定できます
- 「Initials」を選択するとユーザーの氏名の一部(イニシャル)が www.gravatar.com に送信されます。プライバシーの観点から許容可能か事前に検討されることを推奨します。