今日使える明日のRedmine「RedMica 2.4.1」リリース
2024年1月23日、Redmine互換のオープンソースソフトウェア「RedMica」の新バージョン2.4.1がリリースされました。
RedMicaとは
RedMicaはRedmine互換のオープンソースソフトウェアで、Redmineのソースコードをもとにファーエンドテクノロジー株式会社がリリースしています。ファーエンドテクノロジーが提供するクラウドサービス「My Redmine」でも使われています。
最大の特長は、Redmineより短い間隔で定期的にリリースされることにより、Redmine次期バージョンの新機能を先行して利用できることです。
例えば、Redmine 5.0.0が2022年3月リリースされてから、次のメジャーバージョンアップであるRedmine 5.1.0が2023年10月にリリースされるまでの約1年7ヶ月の間に、RedMicaは2.1、2.2、2.3の3回のリリースが行われました。これにより、RedMicaではRedmine 5.1で利用できるようになった新機能の多くをいち早く利用できました。
RedMica 2.4.1にはMySQLに関係する重要な修正が含まれています。 これまでRedmineのデータベースとしてMySQL 5.7以降を使用していると入れ子集合(チケットやプロジェクトの親子関係で使われるデータ構造)の更新時にデッドロックが発生することがあるという不具合がありました。この不具合がRedmine 5.1.1で修正されました(#39437)。また、チケットやプロジェクトの親子関係の不整合が発生することがあるという問題も同時に修正されました。この修正がRedMicaにも適用されました。
入れ子集合の不具合に関する修正に伴い、Redmine 5.1.1以降でデータベースとしてMySQLを使用する場合には、MySQLのトランザクション分離レベルをデフォルトの REPEATABLE READ
から READ COMMITTED
に変更することが必要になりました。RedMica 2.4.1以降も必要になります。
RedMicaのデータベース設定ファイル config/database.yml
内でトランザクション分離レベルを READ_COMMITTED
に変更するには、以下のように transaction_isolation
変数を設定してください。
production:
adapter: mysql2
database: redmine
host: localhost
username: redmine
password: "*****"
encoding: utf8mb4
variables:
transaction_isolation: "READ-COMMITTED"
MySQLのトランザクション分離レベルの設定に関する詳細はRedmine公式サイトの MySQL configuration でも確認できます。
新機能
Textile記法を使用時、ひとつの単語に複数の脚注をリンクできる
テキスト書式のTexitle記法には脚注(Footnotes)という記法があります。 本文中に脚注番号を挿入し、対応する脚注の文をページの最後に記載すると、脚注番号が脚注の文へのリンクになり、ジャンプできるようになります。
これまでは、ひとつの単語にひとつの脚注をリンクすることしかできませんでしたが、今回の機能追加により、複数の脚注をリンクできるようになりました。
機能追加前の画面。脚注番号2がリンクになっていない
機能追加後の画面。脚注番号2もリンクになっている