Redmine 6.0.0 リリース
2024年11月11日(中央ヨーロッパ時間)、Redmine 6.0.0 がリリースされました。本リリースは、2023年10月31日にリリースされた Redmine 5.1.0 以来の feature release であり、多数の新機能が追加されています。改善・修正の総数は146件です。
Redmineとは:
Redmineはオープンソースのプロジェクト管理ソフトウェアです。オンプレミスのサーバなど自前の環境に自由にインストールできるほか、クラウドサービスも利用できます。
1. Ruby / Ruby on Rails 対応バージョン
- Ruby on Railsのバージョンが現時点で最新の 7.2 に更新されました。
- 対応する Ruby のバージョンに3.3が追加され、2.7と3.0の対応が終了しました。
2. アセットパイプライン用ライブラリが Propshaft に変更
- アセットパイプライン用ライブラリがSprocketからPropshaftに変更され、アセットディレクトリが
public
からRails標準のapp/assets
に変更されました。 - プロダクションモードにおいてアセットが自動的に再コンパイルされ、追加のコマンド実行が不要になりました。この挙動は
config.assets.redmine_detect_update
の設定で変更できます。 - 重要な変更 テーマが以前の
public/themes
ディレクトリではなく、Redmineをインストールしたディレクトリのthemes
から読み込まれるようになりました。個別にテーマをインストールしている場合は作者の指示に従って更新してください。この変更を自動的に行うためのRakeタスクは提供されません。
3. Redcarpet ベースの Markdown の対応が終了
- 非推奨になっていた Redcarpet ベースの Markdown 設定は、マイグレーションによって自動的にCommonMark Markdownに移行されます。これらの書式にはわずかな違いがあるため、正しく表示するために見直しや修正が必要になる場合があります。
4. アイコン画像がベクターフォント(Tabler Icons)に変更
- アイコンはスプライトファイル(icons.svg)から提供されます。
- アイコンを描画するために、新しいヘルパークラスが追加されました(
app/helper/icons_helper.rb
)。ほとんどのメソッドはsvg_sprite
メソッドを使用しており、さまざまな設定が可能です。サイズの設定や、プラグインが提供するアイコンや別のスプライトファイルからのアイコンを描画することができます。 - メニューに項目を追加するプラグインは、自身のスプライトファイルからアイコンを指定することもできます。
- 移行を容易にするため、古いアイコン画像とカスタムCSSスタイルは6.0.0にも引き続き含まれていますが、以下のように削除される予定です:
- カスタムCSSスタイル
app/assets/stylesheets/application.css
:6.1.0で削除 - 古いアイコン画像:バージョン7.0.0で削除
- カスタムCSSスタイル
- 古いデザインを使用しているアイコンを見つけた場合は、Redmine公式サイトに新しいチケットを作成して報告してください。最初のメンテナンスリリースで更新を提供します。
rake test (icons:*)
が追加され、設定ファイルに基づいて Tabler からアイコンをダウンロードできるようになりました。このタスクは、ダウンロードしたアイコンからスプライトを生成することもサポートしています。
5. UI 改善
- デフォルトのフォントが Noto Sansに変更されました。#41321
- ボックスの背景色・ボーダースタイルを調整しUIが洗練されました。#41298
- ヘッダのデザインをグラデーション背景で改善されました#41266
- CSSのフォントサイズ指定が
px
からrem
に変更され、ブラウザのフォント設定が適用されるようになりました。#2499
6. 新機能と強化機能(長らく待たれていた機能も含まれています)
- サイドバーの表示・非表示の切り替えができるようになりました。表示・非表示の状態はブラウザ内に保持されます。#21808
- チケットの予定工数と進捗率の値から完了までの残りの時間を算出する新しい項目「残工数」が追加されました。#37862
- チケットとフォーラムの引用ボタンで、選択したテキストのみを引用できるようになりました。#41294
- カスタムクエリに説明を記載できるようになりました。#9309
- チケットの担当者として「作成者」や「直前担当者」が選択しやすくなるよう改善されました#16045
- ローカライズされた小数点区切りがサポートされるようになり #22024、ウェブUIでの時間表示に利用できるようになりました #21677。
- プロジェクト一覧で最終活動日を表示できるようになりました #23954。現時点では「最終活動日」による並べ替えはできません。
7. APIの変更
- 履歴の応答に
updated_on
とupdated_by
が追加されました。 - ユーザーリストAPIにユーザーステータスが追加されました 38948 。ユーザーAPIに
auth_source
が追加されました。
8. セキュリティ改善
- 新しいロールおよび既存の組み込みロールに対して、ユーザーの可視性が「すべて」から「表示可能なプロジェクトのメンバー」に変更されました #38853 。
- この変更は、デフォルト設定を改善し、プロジェクトが公開されている場合にログインアカウントが公開される可能性を減らすために行いました。以前の動作に戻す必要がある場合は、組み込みロールのユーザーの可視性を「すべて」に明示的に設定し直す必要があります。
改善や修正の詳細につきましては Changelog をご覧ください。
今回のリリースで、Redmine 4.2 系のサポートが終了します。また、Redmine 5.0 系は 5.0.11が最終版となり、以後はセキュリティに関する更新のみ行われます。
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