Redmine 4.1 新機能紹介
Redmine 4.1.0の250件の機能追加・修正の中から新機能40件をピックアップして紹介します。
1ページ目(全3ページ中)では6つのカテゴリ(Administration, Attachments, Custom fields, Email receiving, Gantt, Importers)から15件を取り上げます。
Administration (アカウント / 認証)
Attachments (添付ファイル)
Custom fields (カスタムフィールド)
- Feature #29712: ワイド表示カスタムフィールドにプレビューとWikiツールバーを追加
- Feature #31925: プロジェクト、バージョン、作業時間カスタムフィールドの ロールベースアクセス制御
Email receiving (メール通知)
- Feature #5913: 通知メールのFromに更新者の名前を表示
- Feature #13111: ステータス変更を通知メールのSubjectに含めない設定を追加(「管理」→「設定」→「メール通知」→「通知メールの題名にステータス変更の情報を挿入」)
- Feature #13307: メール通知の本文内にチケットの開始日と期日を表示
- Feature #31225: リマインダ内にチケットの期日までの残り日数を表示
Gantt(ガントチャート)
Importers(インポート)
- Feature #28213: CSVインポート時に独自IDによる他レコード参照。例えば1回のインポート操作で親チケットと子チケットを同時に作れる
- Feature #28234: 作業時間のCSVインポート
- Feature #31450: CSVインポート時に "YYYY/MM/DD" 形式の日付のサポート
Administration (アカウント / 認証)
パスワードに指定した文字種別が含まれることを強制できる設定の追加
Feature #4221: Force passwords to contain specified character classes
パスワードに含める文字の種類(大文字、小文字、数字、記号)を強制できるようになりました。Redmine 4.0まではパスワードに関する設定は「最低必要文字数」と「有効期限」のみでしたが、この新機能でより安全性の高い複雑なパスワードの設定を利用者に強制できます。
以下4種類の文字を含めることを必須とするかどうか設定できます。
- 大文字(A, B, C, …)
- 小文字(a, b, c, …)
- 数字(1, 2, 3, …)
- 記号(!, @, #, …)
「管理」→「設定」→「認証」→「パスワードの必須文字種別」
パスワードに設定した文字が含まれていない場合はエラーを表示します。
LibavatarとGravatar互換サーバのサポート
Feature #9112: Libravatar and Gravatar-compatible servers support
Redmineでユーザーのアイコンを表示するためにアイコンの管理サービス「Gravatar」が使われていますが、代わりにLibravatarや自前で立ち上げたGravatar互換サーバを利用できるようになりました。Gravatar利用時のプライバシーが気になる方向けの機能として追加されました。
設定方法
config/configuration.yml に avatar_server_url を指定します。
Libravatarを使用する場合の記述例:
avatar_server_url: https://seccdn.libravatar.org
configuration.yml のサンプルは config/configuration.yml.example で確認できます。
Attachments (添付ファイル)
クリップボードからの画像ペースト
Feature #3816: Allow pasting screenshots from clipboard
チケットなどに画像を添付するとき、コピー&ペーストで添付できるようになりました(IE非対応※)。Redmine 4.0までは、一度画像ファイルをダウンロードし、ファイルを添付する操作が必要でした。
操作手順
- ペースト操作(Windows: Ctrl + V / Mac: ⌘ + V)でクリップボードから画像ファイルが添付される
- 同時にインライン表示用のマークアップが挿入される
※本機能はInternet Explorerには対応していません。Microsoft Edge、Google Chrome、Mozilla Firefox、Safariなどのブラウザに対応しています。
PDFファイルのサムネイルを表示
Feature #22481: Show thumbnails for PDF attachments
チケットなどにPDFファイルを添付すると、サムネイルが表示されるようになりました。Redmine 4.0までは画像ファイルのみサムネイルが表示されていましたが、PDFファイルにも対応しました。「PDF形式ファイルが添付されていること」、「どのような内容のファイルなのか」が分かりやすくなりました。
サムネイルを表示するための条件
- 「管理」→「設定」→「表示」→「添付ファイルのサムネイル画像を表示」がONであること
- RedmineサーバにGhostscriptサポートありのImageMagickがインストールされていること(多くの環境のImageMagickで対応済み)
- RedmineサーバのOSがWindows以外であること
Custom fields (カスタムフィールド)
ワイド表示カスタムフィールドにプレビューとWikiツールバーを追加
Feature #29712: Preview and wiki toolbar for full width custom fields
説明欄やコメント(注記)の入力欄に表示されるツールバー(文字の装飾をクリックで挿入できるボタン)が、「長いテキスト」形式のカスタムフィールドにも表示されるようになりました。編集/プレビュータブの切り替えにも対応しているので、長文を書くのが楽になります。
ツールバーを表示するための条件
- 「管理」→「カスタムフィールド」→カスタムフィールドの作成・編集画面の 「テキスト書式」と「ワイド表示」の両方がONであること
プロジェクト、バージョン、作業時間のカスタムフィールドがロールごとの表示制限に対応
Feature #31925: Per role visibility settings for project custom fields
Feature #23997: Per role visibility settings for version custom fields
Feature #31859: Per role visibility settings for spent time custom fields
プロジェクト、バージョン、作業時間のカスタムフィールドについて、ロールごとに表示するかどうか設定できるようになりました。管理者にしか表示したくないもの、全員に表示してもよいものなど使い分けることができます。Redmine 4.0まではチケットのカスタムフィールドのみにあった機能です。
「管理」→「カスタムフィールド」
Email receiving (メール通知)
通知メールのFromに更新者の名前を表示
Feature #5913: Authors name in from address of email notifications
メール通知のトリガーとなった作成・更新操作を行ったユーザー名がFromに表示されるようになりました(メールアドレスは従来通り固定。表示名のみが変わる)。メールを開かなくても、差出人の表示名だけで誰による更新なのか分かります。
更新者の個人名を表示したくない場合の裏技
「送信元メールアドレス」に固定の表示名を設定すると、どのユーザーの更新であっても同じFromからのメールとして表示できます。
「管理」→「設定」→「メール通知」→「送信元メールアドレス」に固定の表示名を設定
ステータス変更を通知メールのSubjectに含めない設定を追加(「管理」→「設定」→「メール通知」→「通知メールの題名にステータス変更の情報を挿入」)
Feature #13111: New setting to include the status changes in issue mail notifications subject
通知メール件名に挿入される「(新規)」「(進行中)」などのステータス変更情報を非表示にできるようになりました。Gmailには同じ件名のメールをグループ化するスレッド表示機能がありますが、チケットのステータスを変更すると件名も変更されていたためメールがスレッド表示されなかった問題を解消できます。
「管理」→「設定」→「メール通知」→「通知メールの題名にステータス変更の情報を挿入」をOFFにする
メール通知の本文内にチケットの開始日と期日を表示
Feature #13307: Start date and due date in email notifications
チケットの作成・更新の通知メールに開始日と期日が表示されるようになりました。Redmineを開かなくてもいつ行うべき作業か分かります。
リマインダ内にチケットの期日までの残り日数を表示
Feature #31225: Show the number of days left until the due date in reminders
指定した条件のチケットのリストが送信されるリマインダメールに、チケットの期日までの残日数が表示されるようになりました。チケットのリストの中でも今日までにやるべきか、明日までにやるべきか一目でわかります。
Gantt(ガントチャート)
ガントチャートで子チケットとバージョンの折りたたみを許可
Feature #6417: Allow collapse/expand in gantt chart
ガントチャートでチケットをプロジェクト、バージョン、親チケット単位で折りたたんで表示できるようになりました。Redmine 4.0までは全チケットが表示されていましたが、子チケットを折りたたんで親チケットの一覧表示などができるようになります。
ガントチャートで表示する項目の指定
Feature #27672: Show selected columns in gantt chart
ガントチャートに好きな項目を表示できるようになりました。これまで個々のチケットを開いて確認していた項目をガントチャートを見ながら確認できます。
項目の表示方法
- 「オプション」を開く
- 項目の「表示」をONにする
- 「利用できる項目」から「選択された項目」へ表示したい項目を移動・並べ替える
- 「適用」をクリック
※「保存」をクリックしてカスタムクエリを作成すれば、次回から1クリックで項目を表示できます。
Importers(インポート)
CSVインポート時に独自IDによる他レコード参照。例えば1回のインポート操作で親チケットと子チケットを同時に作れる
Feature #28213: Support external ID when importing issues
1回のインポート操作で親チケットと子チケットを同時に作れるようになりました。Redmine 4.0までは2回に分けて「①親チケットをインポート」した後、「②子チケットをインポート」する必要がありました。
作業時間のCSVインポート
Feature #28234: Add CSV Import for Time Entries
作業時間がCSVファイルのインポートに対応し、一括登録できるようになりました。
インポート方法
「作業時間」タブを開く→画面右上のメニュー「…」→「インポート」をクリック
CSVインポート時に "YYYY/MM/DD" 形式の日付のサポート
Feature #31450: Support "YYYY/MM/DD" date format when importing issues
チケットのCSVインポート時に YYYY/MM/DD 形式の日付でインポートできるようになりました。
Redmine 4.0までは YYYY/MM/DD 形式日付データのインポートに未対応だったため、日本語環境の表計算ソフトで作成したCSVをそのまま読み込めないことがありました。
関連情報
- Redmine 4.1のCHANGELOG 日本語訳
すべての変更・修正の一覧です