2017年4月のRedmine開発状況

2017-05-07 17:30  •  分類:  •  前田剛

Redmine本体の開発について、2017年4月中の主な動きをピックアップして紹介します。

概況

4月9日にRedmine 3.3.3と3.2.6がリリースされました。maintenance releaseでありバグ修正が中心です。なお、いずれもセキュリティ脆弱性の修正が含まれます。修正内容の一覧の日本語訳を下記ページに掲載していますのでご確認ください。

Redmine 3.3.3 / 3.2.6 リリース

4月中にクローズされたチケットは、Redmine 3.3.3と3.2.6向けのチケットを含め28件でした。

リリースが待ち遠しい3.4.0向けには、2017年5月7日 16時時点で171件ものチケットがクローズされています。直近のfeature releaseであるRedmine 3.3.0が昨年6月にリリースされてから10ヶ月以上たち、チケット数・リリース間隔ともに異例の数字となっています。

バージョン 全チケット数 未完了チケット数
3.4.0 187 16
3.3.4 0 0
3.2.7 4 0

今月紹介するチケットの一覧です。

Attachments

Patch #25215: 既存ファイルと同じファイルが添付された場合はディスク上のファイルを再利用してディスク領域を節約

Redmine 3.4.0にはサーバ上で添付ファイルを保管するのに使われるディスク領域を節約する機能が追加されます。既に添付済みのファイルと同一のファイルが新たに添付されたとき、後から添付されたファイルはディスクに保存しません。

まったく同じ内容のファイルを複数のチケットやWikiページに添付したとき、これまでは同一ファイルであってもそれぞれの添付ごとにディスク上にファイルを保持していました。その結果、ファイルが重苦して保存されるためディスク容量が無駄に消費されてしまいます。

Redmine 3.4.0の場合、添付されたファイルが既にサーバのディスク上に存在するものと同じ内容であった場合は新たに保存せず添付済みのものを再利用することで、ディスクの使用量を節約します。


[Redmine 3.3] 内容が同じファイルでもそれぞれディスク上に保持

[Redmine 3.4] 同じファイルは1つだけ保持して容量節約

同一ファイルかどうかのチェックはデフォルトではRedmine 3.4.0にアップデートして以降に添付されたファイル同士でのみ行われます。アップデート前から添付されていたファイルもチェック対象とするためには、Redmineのインストールディレクトリで下記のコマンドを実行してください(ファイルの数・総容量が多いとかなりの時間がかかります)。

bundle exec rake redmine:attachments:update_digest_to_sha256 RAILS_ENV=production

Issues

Feature #482: プロジェクトごとにデフォルトの担当者を設定

Redmine 3.4.0では、プロジェクトの設定画面でデフォルトの担当者を設定できるようになります。デフォルトの担当者を設定しておくと、担当者を選択せずにチケットを作成したときに自動で担当者が割り当てられます。

Feature #10460: チケットをコピーするときウォッチャーを保持

Redmine 3.4.0では、チケットをコピーするときに、コピー元のチケットのウォッチャーも一緒にコピーすることができるようになります(「ウォッチャーの追加」権限がある場合)。Redmine 3.3以前ではウォッチャーは無視されていました。

新しいチケットを作成する画面のようにウォッチャーを選択するチェックボックスが一覧表示され、ウォッチャーの追加や削除も行えるようになります。

Feature #23610: チケットをコピーするときステータスをリセット

Redmine 3.4.0ではチケットをコピーしたときのステータスの扱いが変更されます。これまではコピー元のチケットと同じステータスがコピー先チケットでデフォルト選択されていましたが、Redmine 3.4.0では新しいチケットを作成したときと同じステータスが選択されるようになります。

例えば、ステータスが「終了」のチケットをコピーして新しいチケットを作成するとき、これまではコピー元と同じ「終了」が選択された状態でチケット作成画面が開いていました。今後は新しいチケットを作成するときと同様に、「新規」が選択された状態となります。このとき、ワークフローの設定で許可されているほかのステータスを選択し直すこともできます。

既存チケットをコピーして新しいチケットを作成したときに、誤ってステータスを「終了」のままチケットを作成した経験がある方は多いのではないかと思います。3.4.0では直感的に理解しやすい挙動に改められます。

このチケットをコピーしたとき…:

[Redmine 3.3] コピー先でのステータスの初期値はコピー元と同じ「終了」

[Redmine 3.4] ステータスの初期値は新しくチケットを作成するときと同じ「新規」

Issue list

Feature #25515: チケット一覧に添付ファイルを表示

Redmine 3.4.0では、チケット一覧画面で、そのチケットに添付されているファイルを表示させることができるようになります。個々のチケットを開くことなく添付されているファイルの一覧が把握できるようになります。Feature #2783で実装されたチケットのフィルタ「ファイル」と組み合わると、チケットに添付されたファイルを探すときに便利に活用できそうです。

チケット一覧で添付されているファイルを表示するには、チケットのフィルタの「オプション」を展開し、「利用できる項目」の中から「ファイル」を選んで「選択された項目」に移してください。

UI

Defect #24617: Redmineのアップグレード後にキャッシュされた旧バージョンのJavaScriptとCSSが使われることがある問題の修正

Redmineを3.0〜3.3にバージョンアップすると、ブラウザでキャッシュされていた旧バージョンのJavaScriptとCSSが使われてしまい、画面が崩れた状態になることがありました(リロードまたはキャッシュのクリアで正常化)。Redmine 3.4ではこの問題への対策が行われ、最新のJavaScriptとCSSが読み込まれるようになりました。

キャッシュされたCSSによりアップデート後に画面が崩れた状態:

Redmineの画面を構成するHTML内で、JavaSCriptとCSSのファイル名にタイムスタンプを基にしたIDをパラメータとして付加することによってキャッシュされた古いファイルが使われるのを防いでいます。

Redmine利用者向けコミュニティサイト開設のお知らせ

4月中旬ごろから分散型SNSであるMastodonが話題になっています。このサイトを運営しているファーエンドテクノロジー株式会社は、Mastodonを利用してRedmineユーザー同士が交流・情報交換・相談などを行うためのコミュニティサイトを立ち上げました。

Redmine利用者の交流のためのMastodonインスタンス「toot.redmine.jp」を公開

ファーエンドテクノロジー株式会社は、Redmineの利用者同士で情報交換、質問や相談を行うためのMastodonインスタンス「toot.redmine.jp」を公開しました(2017年4月末時点で約110人が登録)。

筆者もアカウントを作成して、Redmineの開発状況をはじめRedmineとその周辺の話題を日々書き込んでいます。

前田 剛 / MAEDA Go - toot.redmine.jp - Redmine利用者のコミュニティサイト

redmine.org メンバー / 「入門Redmine」著者 / Redmine.JP 運営 / ファーエンドテクノロジー株式会社 代表取締役

ぜひご利用ください。

https://toot.redmine.jp/

バックナンバー(Redmine 3.4.0 開発開始以降分)

作成: 2017-05-07 17:30  •  分類: